【青色申告】経費で落とすとどれくらいお得?

2022年9月18日

個人事業主になる事で、青色申告という文字列を頻繁に目にするようになる。「申告を行う事で65万円が控除される」、「経費で落とせばお得」という入れ情報で、ついつい経費であれば少しの無駄使いに言い訳が付く気になる。自転車やバイク本体、またはパーツや工具、装備品を購入する際とか。

実はつい最近青色申告の控除額について事実上の改定行われ、フードデリバリーなど少額売上(300万円以下)を副業とした場合、控除額が実質0となる事が確定したりもした。

青色申告時の控除額は経費による控除と双璧を成していたので、今後は経費への意識をより明確にしていく事が収益性の改善を産むだろう。

経費の意味を考える

商いを営む限りにおいて、日本国内ではその収益の一部を税金としてお役所に収める義務が課される。ただ、事業を潰してしまうと徴収金が無くなるので、そうなるとお役所としても多いに困る。という事で「継続できないレベルで所得の少ない事業からは税を減額しますよ」と、お代官様からお情けを頂戴しているのである。これが青色申告特別控除である。

対して経費とは、商品を売り上げる過程で要した費用の事だ。事業での総売上からこの経費と青色申告特別控除を差し引いた額が課税対象額であり、所得税+住民税で15~20%をこの課税対象額に乗じ、それを納税する。実際にはそこから更に控除される場合もあるが、その控除額を利用する人はこんな記事は読まないのでそこは省く。

納税額に直結するために税務署は厳しく、売上に無関係のもの、または無関係「そう」なものは税務署の判断で経費にならない。実際は関りがあってもね。そう、食費とかね。世知辛い。

経費はお得?

少し話が逸れる。例えば会社勤め一本の消費者が日本国内で何かを買うとする。この金額分のうち、収めている税金は大まかに言えば30%以上もある。内訳は一番馴染の深い消費税で10%、所得税で10%以上、住民税で10%。何かを購入する際に後者2つの税金を考慮しないのは、この時に支払うそのお金を、所得した時点で既に徴収済みだからである。よって価値が100円の物を購入した場合、消費税によって+10円をその場で支払い、20円分は給料日もしくは前年末で支払い済み、もしくは来る年末に意識せずに支払っている。

経費で購入するという意味は、この20%分の20円を支払わなくても許されるといという意味である

厳密には各種控除額である程度の収入までは所得/住民税共に適用されず、全ての収入の20%が徴収されている訳では無い。だが通常の生活を送っていれば控除額の枠など余裕で使い切っているはずなので、日常生活に加えて消費される経費とは、「全商品が通常より無条件で20%オフで購入できる仕組み」と言い表しても相違ないだろう。

だがそもそも日常生活に加えて消費されるという事は、事業など余計な事をしていなければ支払うはずがなかった資金である。単に「得」というよりは大いなる投資、または泡沫に消えゆく無駄金のどちらかである。どちらにせよ最少額に留めるのが一般論だ。

ではなぜ「お得だ」と言われるかというと、事業とは関係なくプライベートで使ったお金を経費として計上する者が居るからである。もちろん脱税行為だ。

例えば5人で飲み会をして1万円を割り勘で支払うとする。これを自身で取りまとめ代金を支払い、その際に貰ったレシートを自身のポケットに収める。後に事業の接待費としてこれを経費に計上すれば、1万円が経費となるので20%分の2000円が所得税と住民税から免税され、この不届き者は事実上タダで飲み会に参加した事となるのだ。

これが数百万とか数億円の規模で行われれば大々的に捜索が入りしょっ引かれ、お茶の間でその所業が公開される。

結論

経費で落とせて安いからと言って余計に何かを購入するという行為は極力避けるべきだ。(あまり使わない工具を買うとか、使いもしないパーツを買うとかetc…)。無駄使いも程ほどにという、至極マトモで当然の帰結。

おまけ:フーデリも経費は収入に割と直撃するというのは下記参照。